2025/02/05
アートディレクターの仕事とは?
デザインの指揮をとる責任者

アートディレクターは、広告やウェブサイト、雑誌、パッケージなどの「見た目」全体を統括する仕事です。例えば、有名ブランドの広告デザインや、人気商品のパッケージデザイン、テレビCMの画づくり(えづくり)などを指揮します。
プロジェクトのデザインの方向性を考え、デザイナーやカメラマン、イラストレーターなどのクリエイターたちに指示を出し、作品全体をまとめ上げていきます。みなさんが「かっこいい!」「おしゃれ!」と感じる広告や商品は、アートディレクターが中心となってチームで作り上げています。
クリエイティブディレクターとの違いって?
アートディレクターは先ほど述べた通り「見た目」を統括するリーダー。
対してクリエイティブディレクターは、作品や案件全体を統括する人のこと。クライアントが求める世界観や要件をまとめ、逆に提案をしながら方向性を定め、アートディレクターに指示を出す仕事です。
アートディレクターになるには?
アートディレクターになるには、まず専門学校や大学でデザインを学んだ後、デザイン事務所や広告代理店に就職してグラフィックデザイナーなどのクリエイターとしての実務経験を積みます。そして5〜10年程度の実務経験を経てステップアップするのが一般的です。
専門学校か?大学か?と迷う方も多いかもしれないので、それぞれの違いを簡単に説明します。
まず大学は、4年間で一般教養やデザインの歴史、芸術を学び、学びの集大成として研究結果や作品を作成するといった幅広い学びを行います。美術大学やデザイン系の学部を選択して、じっくりと自分の個性や表現スタイルを見つけていくことができます。
一方で専門学校は、グラフィックデザイナーやイラストレーターなどの即戦力となるスキルを身につけることを目的とした授業と豊富な実習が中心です。デザインツールの操作方法に加え、広告やウェブサイト、雑誌などを実際に作る過程を経験していくのが特徴。授業の中で自分のポートフォリオ(作品集)を作成してアピールの材料としたり、インターンシップを行うことで就職活動に活かしていきます。大学よりも2年早く社会に出て経験を積むため、一足先にアートディレクターへのステップを踏み出せるというメリットもあります。

アートディレクターの年収はどのくらい?
アートディレクターの年収は、経験や実績、会社の規模によって大きく変わります。一般的に、グラフィックデザイナーなどの実務経験を積んでからアートディレクターになるため、スタート時点で400〜500万円程度、経験を積むと600〜1,000万円以上になることもあります。
大手広告代理店や有名クリエイティブ会社では、さらに高い年収を得ることも可能です。また、フリーランスとして独立すれば、実力と実績次第でより高い収入を目指すこともできます。
アートディレクターに資格は必要?
アートディレクターには特に必要な資格はありません。しかし、まずはグラフィックデザイナーとして経験や実力をつけるため、デザインの基礎となるPhotoshopやIllustratorなどのソフトの技能を証明する資格や、色彩検定などの取得が役に立つでしょう。
・Adobe Certified Professional(Photoshop・Illustrator)
・Photoshop®クリエイター能力認定試験
・Illustrator®クリエイター能力認定試験
・色彩検定
ただし、資格よりも重要なのは、優れた作品を生み出してきた実績と、プロジェクトを成功に導くための統率力です。自分の作品やプロジェクトをまとめたポートフォリオを充実させること、実際の仕事で多くの経験をすることが、アートディレクターへの近道となります。
アートディレクターに向いているのはどんな人?
デザインセンスも重要ですが、実はセンスは磨くことができる要素。
それよりも友達の意見を取りまとめたり、逆にリーダーシップを発揮したりできる人はアートディレクターの素質があります。流行に敏感でトレンドにアンテナを貼ることができる性格も向いているでしょう。大切なのはクライアントやクリエイティブディレクターの意見をきちんとデザイナーに伝えることのできるコミュニケーション能力です。
アートディレクターの将来性は?
デジタル化が進む現代では、特にSNSやデジタル広告の増加により、統一された視覚的なブランドイメージを作り出す重要性は、ますます大きくなっています。
また、商品やサービスの差別化が難しくなる中で、デザインの力で人々の心を動かすことの価値は高まっており、経験豊富なアートディレクターへのニーズは今後も続くと予想されます。
アートディレクターになるにはこの学科!

デザイナーとしての下地となる「作る力」を学び、プロのデザイナーを目指す
デザインソフトを扱うスキルからデザインの考え方など「作る力」を基礎からしっかりと学び、実践的な課題制作や産学連携によって即戦力へと鍛え上げる、東デのグラフィックデザイン学科。
同時に提案力とコミュニケーション力も学ぶので、将来アートディレクターとして活躍できる力を身につけられます。
アートディレクターに関連する仕事
- グラフィックデザイナー
- webデザイナー
- 広告デザイナー
- クリエイティブディレクター
- エディトリアルデザイナー
- パッケージデザイナー
- ブックデザイナー
- DTPオペレーター
- モーショングラフィッカー