受賞歴
卒業制作 最優秀賞
★作品についてお聞きします
作品のテーマは?
本作品のテーマは「BLOOM FROM BLOOD(血に咲く)」です。本作品では「血は花となり、暴力は光へと変わる」という考えを軸にしています。
傷を隠すためではなく、そこに光を縫い込むことで意味を与え、喪失や痛みさえも美しさへと変換する存在としてのパイレーツ像を描きました。
パイレーツの雰囲気と宝石の煌めきという「暴力性と美」を同居させ、「破壊と再生」が一つの物語として成立する衣装を目指しました。
赤いビジューを飛び散った血に見立て、まるで戦いの後の血が宝石化したように見せ、それらをプリーツや、奪った宝石や戦利品のように見立てた金のビジューで覆い隠すようにしました。傷や過去を覆い隠しながらも、価値あるものへと変換していく様子を表現しています。
そのテーマにした理由と、誰に何を伝えたかったかを教えてください。
もともと宝石や舞台衣装のような輝くものに強く惹かれ、細かくとても繊細な作業をやり遂げてみたいと思ったからです。
また、衣装単体ではなく自身で物語を考え、"物語ごと成立する作品"を作りたいという思いもありました。
特定の誰かに向けたメッセージというよりも、自分の「好き」を徹底的に追求し、その中で生まれた世界観や感情を、見る人それぞれに自由に受け取ってもらえたらと思っています。
完成までに苦労したこと、それをどのように乗り越えたか教えてください。
特に苦労したのはコートの制作です。パターンから縫製まで何度も何度もやり直しを繰り返し、理想のシルエットに辿り着くまでに多くの時間を要しました。また、ビジュー装飾についても"血や傷の象徴"として成立させるため、配置やバランスを細部まで調整し続けました。
さらに当初は1体のみ制作予定でしたが、どうしても表現を広げたくなり、+αとしてコートと、既製品リメイクとしてですが2体目の衣装も製作しました。
時間に追われる場面がかなり多くありましたが、最後まで妥協せず自分の表現と向き合うことができたと感じています。
製作中は思い通りにいかず悩むこともありましたが、周囲の方々の支えに助けられながら、最終的には納得できる形まで仕上げることができました。
この経験を通して、最後まで諦めずやり切ることが、表現の深さに繋がることを実感しました。
卒業後の目標と、目標に向けてチカラを入れていきたいことを教えてください
卒業後はアパレル販売員として働いていますが、今回の製作で得た"細部までこだわる姿勢"や"世界観を一貫して表現する力"を今後も大切にしていきたいと思います。
接客やスタイリングを通してお客様ひとりひとりに寄り添いながら感性を磨き、将来的には自分の世界観をより多くの人に届けられるような表現を続けていきたいと考えています。
制作時に工夫したこと・力を入れたこと
本作品では衣装だけでなく、ポスターや映像においても世界観の一貫性を重視しました。ポスターには一見すると分からない程度に、作品の背景や物語の要素をさりげなく組み込んでおり、細部まで見ることで新たな発見がある構成になっています。
また映像では、初見では明確に理解できない構成にすることで、繰り返し見る中で少しずつ物語が読み取れるような演出を意識しました。衣装・ビジュアル・映像を通して、一つの作品として深く味わえる世界観づくりを目指しました。
これらの作品は、自分一人の力ではなく、多くの方々の支えがあったからこそ完成させることができたものです。関わってくださったすべての方々への感謝をこの場をお借りして、感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
