映像デザイン科講師インタビュー企画  「現場のプロに聴け!!」第3回 伊藤先生

2014年7月8日 | By tdg-d | Filed in: 映像デザイン科.

映像業界で実際に活躍する講師陣に、現場のこと・今後の業界のこと・
就活に役立つお話などインタビューしました!
(担当:映像デザイン科アシスタント 加藤)

01
第3回 伊藤先生(授業名:MayaⅠ・Ⅱ)
オートデスク株式会社認定Learning Maya Transition・Character Animation公式インストラクター。 長年のMayaマスターとしての経験を生かし、「伊藤脳塾」塾長としてチュートリアルビデオもまとめあげている。

―伊藤先生はかなり長い間、TDG以外でもいろんな場所でMayaの専門家として教えていらっしゃいますけど、Mayaを使いだしたきっかけといいますか、3DCGや映像業界にはどういう風に関わるようになったんですか?

元々、この3Dに触れたのは遅いんですよ。それまで全くコンピューターというものは触った事が無かったんですが、ちょっと興味を持って、今から…17年前くらいか。30手前くらいで始めたんですよね。
で、当時「エイリアス」っていう会社が出している「PowerAnimator」っていう3Dソフトから習ったんですね。

で、その当時、そのソフトとそれを動かすコンピューターを買うとなると、800万円くらいするので、とても個人でね、買って勉強するソフトじゃないんで、習いに行って。
で、当時は専門学校でも2ヶ所しか3Dを扱ってなくて。片方に関してはちょうど僕が興味を持った時にスタートしたんです。

―じゃあ、当時も本当に新しい技術というか…駆け出しというか。

そうですね。駆け出しですね。そっから始めたんで、Mayaはもう、バージョン1からやってますね。
要はPowerAnimatorが終了して、Mayaってソフトになったんですよ。そこで、これから先どうなるかわかんないソフトに賭けて、それを勉強するか、それともすでにあるLightWaveとかに変更して、そっちに進んでいくかっていう、岐路になったんですけど。

※LightWave3Dは、米NewTek社が開発及び販売を行う3DCGソフトウェア。日本においてもCM・アニメ・ゲームの制作に頻繁に使用されている。2014年01月現在の最新バージョンは11.6。

まあやってみよう、と。Mayaっていうソフトを。
で、バージョン1っていうのはすんごいバグだらけで。で、マニュアルの本もあるんですけど、全部英語で。
全部でこれぐらい。(7~80cm幅くらいに両手を広げる)

―え、え、本で!?

本で、厚さでいうとこれぐらい(笑)
で、一人だとすごい時間かかるんで、当時いた仲間数名と一週間ごとに分担して勉強して、勉強会を開いてそれぞれ発表して「あーナルホドナルホド」っていうのをずっとやって覚えたんですよね。

―いやー凄いですね!
 現在、学校の授業でみんなでMayaを教えていただいたりっていうのも、その当時の積み重ねがあって、やっとできる、みたいな…

そうですね。だから、今の子は恵まれてますよ。だって学生版はタダで使えるし、インターネットで調べれば何でも出てくる。うん…良い時代ですよ。本当に。
当時は何の情報も無いですからね。Mayaなんて。パソコンで「M A Y A」なんて打ち込んだってねぇ、「マヤ文明」ぐらいしか出てこないっていう(笑)

―(笑)それぐらい知名度も無く。
 その状態で(Mayaに)進むっていうのが、すごい勇気だなって…。

まあ、賭けですよね。まあでもどの道、その、入ったのが遅いし、気合入ってたんで。

―おおー!デキる人だからこそ言えるっていう…!

いやー、当時はそれこそダブルクリックもわかんなかったんで、「コンピューターも触った事が無い人がいきなりPowerAnimatorってソフトなんか触れるはずがないって。操作できるようになるはずがないから、うちではできない。やるんだったらPhotoshopから学べ。」入学を断られた事もあって。
で、ふざけんなよ、こっちは気合入ってんだよ…!って(笑)

―(大笑)すごい!!

その話でもう一方の学校に行ったら「まあちょっと難しいと思うけど、やるならやってみれば?」って。
気合入ってたんで!

―いやーすごい!
当時の3DとかMaya、PowerAnimatorをやる方って、やっぱり、元々プログラマーとかの人が多かったですか?

はい、経験者ばっかりでしたね。だから仲間も経験者だったので、ビリからのスタートですよね。
で、みんな年下だったりするんだけど「ちょっと教えてくれ」って聞きながら。
そこは気合入ってると全然平気なんで。

―気合大事ですねー。

大事ですね。ほぼ気合でなんとかしてきたんで。
で、僕の場合は就職をしていないんで。ずっとフリーでやっていて、ここ数年は教える方を専門でやってて、それで「伊藤脳塾」ていうチュートリアルを企画制作してやってます。

02

―ならでは、な仕事スタイルですね。
映像デザイン科にもいろんな先生がいらっしゃって様々な仕事の仕方や立場があるので、単に就職してクライアントの言うとおりに作るだけじゃない、いろんな打ち出し方がもっとできるのかな…って思うと、こういった伊藤先生のような仕事のされ方も参考になると思っていて…。

そうですね。まぁ、今後本当にCGはいろんな分野で、映像とかゲームとかだけじゃなくて、もっともっとね、いろんな活躍ができたり…もうすでに医療関係のCGは使われてますしね。
なのでまぁ、これからの進路として、将来的にCGやりたいっていうのはいいと思いますよ。

―ああ、シミュレーション的な物とか…。
要はCGを使ってどういう分野で役立てるかっていう事ですよね。

ただ僕が思ってるCGの良さ、元々僕はゲームじゃなくて映像側の立場なので、これは映画とか映像の分野で言いますが…、メインにならなくていいと思うんですよ。

例えば、CGでやればコスト削減になるぞ、とか。そういう使い方がベストだと思いますよ。だからCGが全面に出て「フルCG映画です!」ていうのは実はあんまり好きじゃなくて。
CG屋さんは主役じゃなく、脇役なんですけども、「よくこんなの作ってんなぁー絶対金かかるなぁー…」というのを3Dでやれば、お金かけずに凄い映像ができる。こういう作品って結構最近あるにはあるんで、そういう発展の仕方をどんどんしていって欲しいんですよね。
それをわざわざ「これはCGを使わない本物の映画デス!」とか言うじゃないですか。バカじゃねーの?効率よく使えばいいんだよ!って。何もわかってねえ、って(笑)

04

―(笑)ハハハハ!ぶちゃけますねー!面白い!
 じゃあ本当に効率よく、良い画面をつくる道具としてうまく作ってほしいな、っていう。

そうなんですよ。道具のひとつにすぎないので。最終的に良いものができればいいわけなので。

―なるほど、ありがとうございます。
 就活やポートフォリオなどで、どういうところがポイントになるか、とかありますか?

僕はね、一番大事なのは人柄だと思う。
例えば、ずば抜けて良い作品があるんであれば、勿論その人は受かるでしょう。でも、大してスキルに差が無いぞ、っていったときに、面接官はどっちと仕事したいかな…って考えるはずなんですよ。そういった時に、きちんと会話ができるっていう、コミュニケーション能力ってのはすごく大事だと思います。
なんかボソボソ下向いて「いや…ワカリマセン…」とか言ってんなよ!声出せ!っていうね(笑)
それぐらいかなぁ。あとはまぁ、丁寧に作った作品があれば大丈夫じゃないですかね?

―気合込めた作品と、人柄と。なるほど、ありがとうございます。
では映像業界を目指すにあたってこれから学校選びをする方へのヒントなどありますか?

うーん、フィーリングじゃないですかね?(笑)
それかまぁ、Mayaやるんだったら僕が教えてる学校。間違いないです。

―おおー!ズバリ!

ズバリ。

―伊藤先生は、1年生のMayaの授業を担当されているということで、気を使っている部分などはありますか?

基本がとにかく一番大事だと思うので、そこを疎かにせずに、広く深く…。Mayaの機能を「使えない」と話にならないので。まずオペレーションができるように、ということですね。
あとはまぁ、なるべくMayaの内部で何が起こっているのか、というところまでできれば突っ込んで教えたいなっていう風に思っていて。

―「何が起こっているか」というと?

内部でどういうことが起こっているのか。要は「ボタンを押したらコレができる」っていうんではなくて、中でどういうコネクションが…「アトリビュート」っていうんですけど、それが、「何のアトリビュートが何に繋がっているから、こういう事が起きるんだ」とか、そういうところまで授業ではやっているんですけどね。
Mayaは奥の深いソフトで、まあ何でもできるソフトなのですが、それだけに「使えるよ!」ってなるまでは結構な時間と、気合入れてないと…もう面倒くさくて。(笑)
こんなメンドくさいソフト覚えたくねぇなぁーみたいになってしまう事もあるんで。先にちょっと根性入れて!て感じでやった方がいいと思いますね。

―そのあたりの基本がちゃんと学生のうちから押さえられているかどうかで、やっぱり、プロになってからの仕事の完成度が…

違うと思います。たまたま偶然に良いものができたりとか…てこともあんまり無いと思うんですが、もしそれで就職できてしまっても、結局就職先で「何もできねーんだなお前…」って事になってしまう。それは避けたいんですよね。
逆にもう、僕の授業とっていたら、就職したときに人に教えられるくらいになっているはずなんですよ。全部把握できていれば。なので、しっかりとそういう基礎、一番大事な基礎を徹底的にやる授業が、僕のクラスですね。

―そこはすごい大事なところですね。どうですか?学生さんの反応というか、出来栄えというのは。

うん…いや、皆さんほとんどの方が一生懸命やってますね。

―そうですか。やっぱりそうやって、やってくれると嬉しいですね。

そうですね。まあせっかく一生懸命教えてるんで…(笑)受ける側も一生懸命受けてほしいなって、正直。
ただまぁ僕が思ってるのは、長い人生のたった2年とかじゃないですか。学ぶのって。やっぱ気合入れてほしいなって。

05

あとは、クオリティの追求とかを中途半端で、妥協してほしくないんですよね。
良いものいっぱい見て、眼を鍛えて…。
例えば同じものを作らせても、違うクオリティで上がってくるんですよ。ひとつはものすごく良くできてて、もうひとつはまだちょっともうひと工夫足りない。その違いっていうのは、「眼」つまり見えかただと思うんですよ。
この人にはこう見えてるけど、この人にはこう見えてる、っていう。だからここで止めるんだって。
だから眼を鍛えてないと、良い作品はできない。
何でも興味を持って、例えば触ってみる。作る前に「こうなってるのか~」とか…

―立体物を作るんだったら、質感とか、そういう感覚は大事ですよね。

あとは例えば、学校にいない時間、家で何か、趣味でもいいから作ってみるとか。僕はよく酒飲みながらエポキシパテで自分の飼ってる犬とか作って遊んだりしてるんですよ。色塗ったり。
そういう事とか…まあデッサンも然りですけど、ものを作るっていうのは、よく観察するっていうところから入るじゃないですか。だからそういう事を常日頃からやって、それをCGに活かしていくっていう。

06
インタビュー時につけていたピアスも伊藤先生の手作り

―ただ単純にパソコンの前に座ってるだけじゃダメだっていうことですね。

駄目ですね。特にやってしまいがちなのが、アニメーションで、自分で実際に動きもしないのに、動きをつけてしまうと、絶対おかしな動きになる。それは自分で動いて、要は演技をしてみて、自分の作ったキャラクターに演技をつける、ていう感覚でやっていかないと、良い作品はできない。

―いやー、大事なことですね。

まぁさっきも言いましたけど、長い人生の中のたかだか2年、やると決めた以上気合入れて、「今日はかったるいから学校行くのやめよう…」とか、そういうの無し!気合入れまくりで、特に僕の授業は休まないで…てことを1年間やってもらえると、かなりのレベルまでいけるんで。

―お!そこは保障しますか!

任せてください!
なので、僕のクラスに入ってね!って。

―おお!頼もしいお話ありがとうございました!

07
今日のおやつ
らぽっぽ「スイートポテト」「抹茶ミルクスイートポテト(期間限定品)」


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